2013年10月11日金曜日

【俳句作品】 匙晩夏 / 月野ぽぽな

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(グレーの地色について調査中)


 

  匙晩夏   月野ぽぽな

日盛や庵は与良の坂の上

蝉時雨いちまい青空いちまい

炎昼の底に自動車修理工

教え子として万緑の中に座す

観音に触れてから蛇皮を脱ぐ

思うときホタルブクロの傾きに

炎天に影を落し過ぎてなくす

カラメルに至るプリンの匙晩夏

ブルーベリー昼の中にも少し夜

夏霧に深き轍を置きて去る



  • こもろ日盛俳句祭レトロスペクティブ 平成23第3回参加作品より 

二年前、身内の都合で急遽帰国した際、俳句仲間にこの俳句祭の情報をもらった。ちょうどタイミングが合ったため参加。ニューヨークへ渡る前の数年間、仕事の関係で小諸に住んでいたこともあり、とても懐かしく楽しく参加させていただいた次第。この大会にて作った句からここに十句抄出する。次回参加できる日を楽しみにしつつ。



【作者略歴】

月野ぽぽな (つきの・ぽぽな)

1965年長野県生まれ。ニューヨーク市在住。「海程」同人。現代俳句協会会員。2008年海程新人賞、09年豆の木賞、10年現代俳句新人賞、11年海程会賞受賞。
月野ぽぽなフェイスブック:http://www.facebook.com/PoponaTsukino

1 件のコメント:

  1. 教え子として万緑の中に座す  月野ぽぽな

    をいただきました。独特の視点から作句され、ぽぽなさんの感性の良さを感じました。

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