2013年9月27日金曜日

【俳句作品】 やぶめうが / 丑丸敬史

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   やぶめうが   丑丸敬史


やぶめうが天沼に水たまりゆく

ぼうたんがたましひほどにゆれてをり

切りそろへ不揃ひになる麥の秋

我が生の左側ゆくかたつむり

夕虹のソテエは皿に盛りがたし

足裏にくる梅雨寒とかたつむり

蚊柱の二三本でももつてこい

蟬穴に人はうかつに出入りす

くづれては死者のぼりゆく海市

死火山の根腐れすすむ秋雨や



【略歴】


  • 丑丸敬史(うしまる・たかし)

丑丸敬史(うしまる・たかし)本名。
「LOTUS」、「豈」同人。

俳句は極小であり、この極小の器に個性的な作品を盛ることの困難さと常に格闘。敬愛する俳人は、永田耕衣、高柳重信、加藤郁也、橋閒石、阿部青鞋、阿部完市、安井浩司。短歌では、塚本邦雄。現代詩では、田村隆一、吉岡実、粕谷栄市。軸足は俳句であるが、短歌、自由詩にも関心をもつ。感興の赴くままに、盛りつける皿を選び料理を盛りつけられれば最高。

2013年秋、第一句集『BALSE』を邑書林から上梓(多分力作、笑)。

大学でがん、老化、寿命について研究。マンガ、アニメ、アニソンも好物。

ブログ「七海亭七珍」を好評連載中。

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