2013年8月9日金曜日

【俳句作品】 二十四節気題詠句 その九 (関悦史、三木基史、小野祐三、池田瑠那、高橋比呂子)

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      関悦史
(夏至)
夏至すでに霞ヶ浦のにほひかな



       三木基史(「樫」所属)
(秋分)
秋分の半透明な声が出る
(寒露)
寒露まだ灰に熱ある遺骨なり
(霜降)
霜降の鳥が化石になる途中


      小野裕三(海程・豆の木)
(立夏)
吾子といて立夏の穴をよく埋める
(芒種)
包丁ら青々として芒種の町
(小暑)
引き連れて小暑の市場へと急ぐ


      池田瑠那(「澤」同人)
(小暑)
角砂糖六面照りや小暑なる
(大暑)
我怠惰地球律儀や大暑なる
(立秋)
細密画(ミニアチュール)の中なる街も秋立つか
(処暑)
文鎮の銀のくぢらを撫でて処暑



      高橋 比呂子
(清明)
清明や岩木川に器ながれゆく
清明や川越蔵町和三盆
音連れは清明のころ延暦寺
(穀雨)
荻窪の杉並笑窪穀雨かな
(小満)
小満の吾子の爪やわらかく切る
(芒種)
無数ならもっとながれる芒種かな
亡母くる芒種の風となりにけり
(小暑)
小暑かなよしこの笑窪ころころす
(大暑)
安曇野の楕円の空の大暑かな
弔鐘に羽はえてくる大暑かな
(処暑)
処暑きたり眼鏡に芝刈り機
(寒露)
寒露かな性欲という扉あり
(霜降)
霜降や軽襂シテのいやさかに
(立冬)
立秋や海馬に水嵩ましにける
立秋や海馬に水のあるごとし
立冬やろーるしゃっはの鼻がくる
万華鏡回し立冬浮遊せり

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