2013年7月19日金曜日

【俳句作品】 素手 / 太田うさぎ

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   素手  太田うさぎ

竹皮を脱ぐ大河内伝次郎

食べかけの冷し胡瓜で人招く

午後からは用心深きかたつむり

黴拭ふいまごろ巴里もきつと雨

大まかに羽ばたく夏至の烏かな

虹の幅測りし素手を下したり

夜を落ちて四万六千日の玉

先生も猫もただ今水中り

冷奴エレヴェーターに乗つて来し

元服を済ませましたと蘭鋳が



【略歴】

  • 太田うさぎ(おおた・うさぎ)

1963年生まれ。「雷魚」、「蒐」、「豆の木」同人。共著『俳コレ』

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