2013年3月15日金曜日

春興帖の反響/筑紫磐井

 3月1日から掲載している「春興帖」を、俳文学者で蕪村研究の泰斗である谷地快一先生(俳号は海紅)が、ご自身のブログ「海紅山房日誌」(3月7日分)で取り上げて下さっている。日記では2回にわたり書いていただいているが、1回は、「教材◆春帖・歳旦帖・春興帖」と題して、私が「春興帖論」でいささか粗雑に書いた春帖・歳旦帖・春興帖の違いを精緻に比較して頂いているものである。その結論として、確かに蕪村の享楽趣味を肯定されているが、「ただしその享楽は禁欲との二重写しであり、その先にある蕪村の孤影を見とどけるべき」と述べられているのは、いかにも蕪村研究の碩学らしい襟を正すべきご意見である。

もう1回は、「春興帖」全体を紹介され、 「〈あまり論じられることがないが、春興帖という環境がなければ「春風馬堤曲」は生まれなかったのかもしれない〉というあたりに、文化の仕掛け人(avant-garde)の磐井さんらしい思い入れが見えて、好ましく読み了えた」と述べていただいている。「春興帖」はそれなりに興味を持って読んでいただいているようだが、そのなかには楽しく読んでいただいている人から、眼光紙背に徹する読み方をしていただいている人まで、実に多彩だ。身の引き締まる思いがする。

「海紅山房日誌」のURLを貼っておくので、是非直にご覧頂きたい。

http://kaicoh.exblog.jp/

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