2013年8月9日金曜日

【俳句作品】平成二十五年 夏興帖 第四

※画像をクリックすると大きくなります。





   林雅樹(「澤」同人)
  梅佳代展
犬涼し頭に紐を載せしまゝ
ばたばた斃るゝ三社祭の若衆が
遺伝子組み換へ高浜虚子ラップが得意夏


   藤田踏青(「層雲自由律」「豈」同人、「でんでん虫の会」代表)
宵山の汗汗汗の人柱
ゴシゴシ洗う薬缶と八月の錆色
疫病神見えない処で昼寝する


   堀本裕樹
夏燕あさばの庭を廻りをり
蝉鳴くや灯のつきそむる能舞台
荒童の書の走りけり鮎の宿


   西原天気(「月天」)
盲牌の鳥を愛でたる夜涼かな
場の風は南テンパイ即リーチ
小博打に沈むは夏の夜の遊び


   高橋 比呂子(青森市生まれ。現在「豈の会」同人。現代俳句協会会員。国際俳句交流協会会員。句集『アマラント』『風と楕円』『ふらくたる』)

絵本魔術師つがるからつゆいり
花胡桃あおあおと歳かさねけり
真桑瓜三途の川をすぎゆけり
盛夏の紐経帷子となりゆけり
神楽阪垣に定家葛かな
天城越垣に定家葛かな
花合歓のかがやきありぬ横死など
玫瑰(はまなす)や日に三度逆立ちす
炎暑かな吊り広告にある情死



0 件のコメント:

コメントを投稿